「まちかどケア」とは

新しい認知症ケアの幕開け

 2004年、「痴呆症」から「認知症」への名称変更をきっかけに全国で「新しい認知症ケア」を考える機運が高まりました。横浜市において市内諸機関・団体と協働しその推進を担ってきたのがわたしたち認定NPO法人市民セクターよこはまです。 “地域で暮らす一人ひとりができること”という視点で様々な取り組みを企画・運営する一連のプロジェクトを「まちかどケア」事業と名付けました。

“自分事”として考える

 “地域で暮らす一人ひとりができること”とは何でしょう。それは認知症について “誰も無関係ではない”と気づくことから始まります。だれもが当事者になりうるし、介護する立場にもなりうる。長年の友人が認知症の診断を受けることもあります。医療・介護等の仕組みは頼もしい存在です。しかし日常生活のすべてを委ねることはできません。それぞれにやってくる「認知症」というテーマとの接点においては、一人一ひとりが深く学び、出会いや体験を通じて認識をアップデートしていくしかありません。ですからわたしたち市民セクターよこはまは、認知症サポーター養成講座や認知症カフェなど誰もが参加できる取り組みを重視し、多くの事業を手掛けてきました。

「認知症」を超えて

 認知症には“見えない障害(invisible disability)”としての側面があります。特に若年性認知症や初期で軽度の方ならば、特段の事情がある人という第一印象は持たれないでしょう。そこでもう一歩考え方を進める必要があります。すなわちわたしたちの社会で求められているのは「認知症の人」への対応ではなく、すべての人が何らかの事情を持っているかもしれないという前提に基づく姿勢です。何らかの義肢装具を使う人かもしれない、内部疾患を治療中の人かもしれない、言語にハンディキャップがある人かもしれない、そして認知症のある人かもしれない、と。それが日常生活のあらゆるシーンに適切な気づかいが行き届く「まちかどケア」のある社会。「認知症」を入り口に、「認知症」を超えて、私たちの社会のあり方を少しだけ変え、誰もが暮らしやすい世界を実現するアイデアです。

「市民セクターよこはま」について

団体概要

名 称  認定特定非営利活動法人市民セクターよこはま
代 表  理事長 鈴木智香子
所在地  神奈川県横浜市中区弁天通6-81 コーケンキャピタルビル2階C号室
連絡先  TEL 045-222-6501(平日10時~16時) FAX 045-222-6502
U R L  https://shimin-sector.jp/

設立趣意書より

 私達は、一人ひとりの市民が自らの思いを実現するために行動するとともに、地域や社会の必要を敏感に感じ取り、深く考え、果敢に行動し、責任をもって役割を担い、互いに必要な時は支えあう信頼と優しさを培い、自らの関わる社会の決定に参画し、必要があれば社会的な制度を創りだす、そのような自立し、自治意識を持った市民社会の形成をめざします。
 そしてこのような市民が意志を持ってつながり、幅広い多方面の市民活動団体、企業、行政とも一層連携・協働を強め、真に市民が主人公となり、尊厳をまもられ、自分らしく生き、誰もが豊かさを実感できる社会を共に創っていきます。

沿革

1998年7月 「市民セクター構築のための研究会」発足
1999年9月 任意団体「市民セクターよこはま」設立
1999年12月 横浜市への要望書提出「新しい公共の創造へ向けて」
2002年2月 NPOマネジメント支援プロジェクト発足
2003年4月 特定非営利活動法人「市民セクターよこはま」設立・登記
2004年8月 認知症ケアマネジメント推進事業開始
2005年8月 NPO等に対する相談・アドバイス事業開始
2006年2月 第1回認知症キャラバン・メイト養成研修実施
2006年4月 横浜市認知症サポーターキャラバン事務局運営開始(2024年3月まで)
2009年7月 横浜市市民活動支援センター運営開始
2012年7月 認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)として国税庁より認定
2014年4月 にしく市民活動支援センター運営開始
2020年4月 横浜市市民協働推進センター運営開始

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